口腔外科医も注目のアバンド®
こんにちは。院長の小野沢です。
年末年始にどのようにお過ごしになるのか
ご予定はお決まりでしょうか。
普段よりも少し豪華な食事を楽しもう
という方もいらっしゃることと思います。
美味しいものをたくさん食べて、
冬の寒さを乗り越えていきましょう。
さて、今回は、口腔外科医も注目の
アバンド®についてのお話です。
2010年の発売以来、
医療現場で使用されてきたアバンド®は
最近では歯科領域でも注目されています。
アバンド®は日本初のHMB配合飲料で、
必須アミノ酸であるロイシンから生成されるカルシウムHMB、
非必須アミノ酸L-グルタミン、
L-アルギニン7,000mgが含まれている栄養補助食品です。
お口のトラブルは、見た目への影響だけでなく、
栄養摂取にも影響が出るため、
トラブルとなる問題を解決して
普段の生活に戻ることが求められます。
そのような中、
アバンド®は、お口の中のトラブルを身体の内側から
コンディショニングする観点から現在注目されています。
お口の中がストレスを受けた施術の後
アバンド®は、身体にストレスがかかった時に
必要量が増えることで知られる
アルギニン、グルタミンが補給でき、
HMBと共にお口の中や筋肉のコンディショニングを目的に、
「ここぞという時のアバンド®」
として広がりを見せています。
アバンド®に含まれる成分は以下の通りです。
アバンド®に含まれる成分
• HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸):
HMBは、ロイシンという分岐鎖アミノ酸の代謝産物で、
筋肉のタンパク質合成を促進し、
分解を抑制する働きがあります。
日本では2010年から食品成分としての利用が認められ、
特に筋肉の維持やリカバリーに効果的であるとされています。
ロイシンの約5%がHMBに変換されるため、
HMBを直接摂取することで、その効率が大幅に向上します。
アバンド®では、1,200mgのHMBを含んでおり、
これは37個の卵を摂取するのと同等の量です。
• グルタミン:
グルタミンは体内で最も豊富に存在するアミノ酸で、
全浮遊アミノ酸の約60%を占めています。
ストレスや病気、怪我による身体の消耗時には
グルタミンの需要が増加し、
通常は筋肉や血液中にストックされています。
適切なグルタミンの摂取は、
免疫機能の維持や回復を助けるため非常に重要です。
• アルギニン:
アルギニンは条件付き必須アミノ酸とされ、
特に身体がストレスを受けているときや
高い運動負荷がかかる時に必要量が増加します。
エナジードリンクやサプリメントにも広く利用されており、
血流を改善し、疲労回復や美容効果も期待されています。
これらの成分がアバンド®に含まれることで、
身体の内側から口内環境を整え、健康をサポートします。
お口の中のコンディショニング
コンディショニングとは、
ストレス後の身体の状態を整えるアプローチで、
休息・栄養補給・清潔の維持などが柱になります。
適切な栄養補給はコンディショニングには欠かせません。
ストレス後は、
エネルギーや栄養素の必要量が亢進しているため、
バランスの取れた食事や
サプリメントを摂取することが大切です。
たんぱく質やアミノ酸は日々の健康維持に
重要な役割を果たします。
ストレスにより栄養の必要性が増すので、
バランスの取れた食事やサプリの利用が大切です。
こうした取り組みが、次のステップへの準備を助け、
口内のトラブルを防ぐサポートとなります。
ぜひアバンド®を試してみてください。
症例紹介
ここで実際に私が大学病院に勤務していた頃の治療例を
少し詳しくご紹介します。

写真の方は約1か月前から右側顎下部から
オトガイ下に腫脹と疼痛を認めていましたが放置していました。
炎症症状は日増しに悪化し、
透析のため受診したクリニックより紹介されて来院しました。
右側顎下から頸部に腫脹し、
血液検査で白血球数13300/μl、CRP21.52mg/dlと
高値でとても強い感染症でした。
CTではガス像を伴う膿瘍で気管が圧迫されていました。
そのため即日、腫れているところに
切開排膿術を施行すると、
悪臭を伴う多量の排膿を認めました。
皮下組織から深い筋肉は壊死しており、
それらをできる限り除去して開放創とし、
抗菌薬と免疫グロブリン製剤の点滴静注を開始するとともに、
アバンド®の内服による栄養療法を併用し
開放創は圧迫のみで閉鎖しました。

この方は既往に糖尿病と慢性腎不全があり、
感染の重篤化、腎性貧血や低栄養状態であるとともに
創傷の治癒遷延が起こりやすいにもかかわらず、
良好な創治癒を得ています。
免疫賦活栄養剤にあたるアバンド®には
先述しましたとおり、アミノ酸の中でも
創傷治癒に効果があるとされている
HMB、L-アルギニンおよびL-グルタミンが配合されています。
HMBはロイシンから分解されて初めて
タンパク質合成促進と体タンパク質分解の抑制、
過剰な炎症反応の調整に働きかける作用を示しますが、
わずかに5%程度しか産生できません。
アルギニンは生体で合成可能な非必須アミノ酸ですが
感染などの侵襲が加わると著明に需要が増加し、
血漿中の濃度が低下するため条件付き必須アミノ酸です。
免疫機能を改善する作用と
創部におけるコラーゲン合成や
局所の血流改善による創傷治癒促進作用があります。
グルタミンもアルギニンと同様に
条件付き必須アミノ酸の一つで、
マクロファージ、リンパ球などの免疫細胞や
線維芽細胞などの創傷治癒に促進的に働きます。
さらに腸管バリア機能を保ち、
腸管免疫も強化するとされています。
これら感染の制御や創傷治癒に有効なアミノ酸を
積極的に摂取する免疫栄養管理を行うことで
再建はもとより、傷を縫合することなく、
良好な創傷の治癒を得ました。

全身的な合併症や感染を伴った難治性の創傷の治癒に対し、
アバンド®による免疫賦活栄養剤としての
有効性が示唆された症例でした。
いかがだったでしょうか。
今回は注目されているアバンド®について
治療例とともにご紹介させていただきました。
今後もお口の健康に関する情報を
ご紹介してまいります。
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